数多の犠牲、刹那の栄光。そして、鮮血が如き真っ赤なトマトソース。傑作揃いの70〜90年代マフィア映画を食に注目して鑑賞する方も多いだろう。
マフィアの底知れぬ食へのこだわりを取材したカルチャーマガジンHEAPSの記事によれば、黄金期の暗黒街で人気だったメニューのひとつに、プロズート・ポモドーロなるパスタがあるそうだ。
人気の理由やエピソードに加えレシピも紹介されているのだが、口述なので細部がわからない。可能な限りリアルなそれを味わいたい私は、語り手の元マフィア、トニー・ナポリ氏のFacebookから、氏が実際に調理している動画を確認したのであった。
元マフィア直伝。美味くて超簡単!暗黒街の「プロズート・ポモドーロ」のレシピは以下の通り。
材料(2人分)
- パスタ 200g ※あればリングイネ
- ★トマト缶(ホール) 200g = 1/2缶
- ★生ハム 40g ※手でちぎる
- ★玉ねぎ 20g ※薄いスライス
- ★オレガノ(乾燥) 少々
- ★ニンニク 1片 ※粗みじん切り
- 胡椒 少々
- バジル(生) 7枚 ※手でちぎる
- オリーブオイル 大さじ2
①冷たいフライパンにオリーブオイルを敷き★をすべて入れる。トマトは木ベラかフォークの背、または素手で崩す。
②火をつける。トマトの汁がグツグツしたら中火で7分ほど炒めて火を止める。
③パスタの茹で汁を大さじ2加え、火を止めたままでよく混ぜる。いわゆる乳化が起きソースっぽくなってくる。
【ポイント】茹で汁は茹で上がりの2分前くらいの濃厚なもので!パスタはうっすら塩味がつくくらい、しっかり塩を入れた湯で茹でる。
④茹で上がったパスタを加え、胡椒を振り、バジルを加えよく混ぜて完成。
【ポイント】湯切りはせず、そのままトングか菜箸でパスタを移動させたほうがいい。パスタが冷めないし多少の水気がよい味にもなる。
生ハムを炒めるというか煮込むというか、なかなか新鮮な発想だが、生ハムから出るダシがトマトのウマミと合わさり最高に美味い。なお、好みで生トマトでやっても美味い。私はいつも皮ごと調理しているが、気になる方は途中で取り除くとよい。中サイズ1個でよし。
そうそう、マフィア映画が好きな方なら、このちょっとだけ入れる玉ねぎにグッとくるのではないだろうか?映画『グッドフェローズ』の刑務所での調理シーンの名セリフ、
「Don't put too many onions in the sauce.」
ーー 玉ねぎを入れ過ぎるな。
そのものだからね。
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PS. トニー・ナポリ(Tony Nap Napoli)氏は元記事公開の2年後に故人となられた。合掌。