今回はニルヴァーナのカート・コバーンが遺したレシピでクッキーを作る。少し変わっていて『アンプラグド』ならぬ『アンベイクド』なクッキーだ。つまり、焼かない。まずはいつも通りレシピの紹介から始めよう。
そのレシピは2002年に発売された、カートの直筆の手記で構成される書籍『Journals』の改訂版で確認できる。改訂時にいくつか追加された手記のひとつだ。*1
ノートの1ページを使って材料と分量、それに簡単な指示が赤ペンで書かれている。料理名は書かれていないが、Webで調べるとアメリカではポピュラーな焼かないクッキー、『ノー・ベイク・クッキー(No-bake Cookies)』のオルタナティブのようだ。
作る前に、基本のノー・ベイク・クッキーと比較してみた。カートのレシピは明らかに変わっていて、ピーナッツバターを使わない。代わりに何か入れるわけでもなく単に抜いてある。定番のレシピでは最後にピーナッツバターを練り合わせてクッキーを成型する。
今回は2度失敗した。調べると、どちらもノー・ベイク・クッキーの典型的な失敗パターンで、1度目はゆる過ぎ、2度目はドライ過ぎてうまく固まらなかった。だが、ピーナッツバター不使用が理由ではなさそうなので、分量を見直した。
カートの元レシピは大人数分だった。大人数分を少人数分にする場合、単純に各材料を比率で少なくしてもダメな時がある。そう、マルちゃんの焼きそばが2人前では水100ccだけど、1人前では50じゃなくて60ccのように。なので、少しだけ材料の比率を変えた。マルちゃん理論だ。
また、ココアは入手しやすい森永ミルクココアにしたのだが、砂糖が入っているため甘過ぎた。レシピでは無糖のものを想定していたようだ。ここは砂糖を減らすことで乗り切った。
高カロリーなお菓子だし、余っても食べ切れないと思うので、たった3枚分のレシピにした。材料はすべて入手可能なのでオリジナルのまま。ちなみにクイックオートミールは普通のオートミールとは別物なので注意。カルディで買える。
カート・コバーン『ノー・ベイク・クッキー』
Kurt Cobain’s No-Bake Cookies
【材料・3枚分】所要時間30分
- クイックオートミール 35g
- バター 40g
- 砂糖 25g
- 牛乳 15ml
- ココア 小さじ1
- バニラエッセンス 少々
- 塩 ひとつまみ
クイックオートミールをボウルに入れておく。
その他の材料をすべて鍋に入れ中火にかける。
沸騰したら1分煮る。焦がさぬよう注意が必要だが、弱火ではいけない。
クイックオートミールを加えて混ぜる。
クッキングシートに小分けに広げ、粗熱が取れたら冷蔵庫で20分〜寝かせる。固まったら完成。
あっという間にできた!焼かなくてもこんなにしっかり固まってる。スメルス・ライク・チョコレート。これは間違いないはず!
塩キャラメル味。めっちゃうまい!甘いからコーヒーがどんどん減る。走り書きだったけど、ちゃんとクッキーのレシピだった。
カートはずっと胃に問題を抱えていた。それゆえに、食べられるものに制限があった。豪華な食事よりもクラフトのマカロニ&チーズやネスレのストロベリー・クイックを好んだのは有名な話。このクッキーもきっと彼の身体に合ったんだと思う。
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*1:英語版。2003年発売の日本語版に掲載があるかは未確認。