バレンタインデーも近いので、最高にうっとりするネーミングの料理のことを書きたい。イタリアン・ウェディング・スープだ。
イタリアからの移民が全米に広めた料理で、肉と野菜を合わせて煮込み、そのマリアージュを楽しめることがその名の由来。単にウェディング・スープとも呼ばれる。ミートボールとシンプルな野菜、そして極小のパスタからなる最高に美味しいスープだ。結婚式やバレンタインデーなどに食べるという風習はないそうだが、その名にちなみ、そういったオケージョンに作ってみたら素敵だと思う。
鶏肉を使うことも多かったようだが、最近のアメリカのレシピサイトでは合い挽き肉使用のがっつりしたミートボールも多い。いわば小さく丸めたハンバーグなのだが、個人的にもその方が美味いし、特に日本では気が利いた料理になると思う。鶏肉だとどうしても我らが鶏つくね団子鍋を想起させてしまい、誤解を招いてしまいがち。合挽き肉をしっかり焼き、中にチーズを忍ばせることでグッとアメリカンイタリアンっぽくなり、その鍋への連想を完全に遮断できる。
極小のパスタは日本でも入手できるリゾーニ(米粒型パスタ)をおすすめしたい。本場のレシピでもよく使われているし、余ったらリゾットなどで消費しやすい。もちろん、まずはナシで作って見るのもいいと思う。チーズもハードタイプが理想だけど、お好みのものでまったく問題なし。作りやすいレシピを書いてみよう。
イタリアン・ウェディング・スープ
【材料(2人分)】
ミートボール
- ★合挽き肉 200g
- ★卵 1/2
- ★パルメザンチーズ 5g
- ★パン粉 大さじ2
- ★牛乳 大さじ1.5
- ★塩・胡椒 少々
- ★にんにく 少々 (スープ用から拝借)
- ★乾燥オレガノ 少々
スープ
- 玉ねぎ 1/2個 (粗みじん切り)
- にんじん 1/3本 (イチョウ切り)
- にんにく1片(みじん切り)
- ほうれん草 70g (ざく切り)
- バター 大さじ1/2
- リゾーニ 40g
- 水 800cc
- コンソメチキン 2個
- オリーブオイル 適量
【レシピ】
①ボウルに★をすべて入れ混ぜ合わせる。小さなミートボールを約15個作る。
【ポイント】肉感が欲しければできるだけ捏ねない。ハーブは乾燥の生パセリ、バジルなど好みのものでよい。
②鍋またはフライパンにオリーブオイルを入れ、中強火でミートボールを焼く。焼く面を変えつつ全体で10分くらい。
【ポイント】このミートボールはハンバーグのように、焼き過ぎてもまったく問題にならない。しっかり焼く。
③全体的に焼き目がついたら一旦ミートボールを取り出す。同じ鍋を使う場合、油を拭き取る。
④鍋にオリーブオイルとバターを入れ火にかけ、玉ねぎとにんじんを中火で5.6分炒める。
⑤にんにくを加えさらに炒めたら、水を入れ沸騰させ、コンソメチキンを溶かす。
⑥リゾーニを入れ、リゾーニが茹で上がる7分前にミートボールを加えて煮込む。茹で加減とスープの味見をし塩胡椒する。
⑦よい感じになったところで、ほうれん草を加え1分ほどで完成。装ったらパルメザンチーズをかける。
【ポイント】こだわりたい方は擦りおろしたパルミジャーノ・レッジャーノで!
その名の通り、個々は慣れ親しんだ味だが、合わさると相乗効果でとてもいい味!簡単なのに豪勢に見えるところも嬉しい。ほんと、こんなにキャッチーな名前と味なのに、なんで日本では無名なんだ??やっぱ、鶏つくね団子鍋が原因だろうか?
うまく作れたら人に話したくなる料理だと思う。多少失敗しても名前で押し切れるから挑戦して欲しい。そうだ、インスタで italianweddingsoup と検索すれば 2.4万件も投稿が出てくるから参考にしてもいいかもしれない。